今回のブログでは、ベテラン歯科医師と若手歯科医師の対談形式で、
「日本フィンランドむし歯予防研究会JFSCP」に参加した意義やそのメリット、予防歯科におけるキシリトールの重要性、今後の普及戦略などについて紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
「日本フィンランドむし歯予防研究会JFSCP」とは
「日本フィンランドむし歯予防研究会」は1997年から継続的に行われています。
フィンランドでの予防歯科事情を現地の研究者から直接講義を受け、
保育園や保健センターを視察するなど歯科専門職向けのツアーが行われ、座学だけでなく、実際に目にすることができます。
今回はフィンランドの首都ヘルシンキで、2024年5月19日〜25日まで開催されました。
日本だけでなく、韓国やベトナム等も参加していました。
フィンランドで長年研究されてきた、キシリトールを活用したう蝕予防効果について詳しく講義を受けることが出来るものです。
フィンランド予防歯科研修後の対談
ベテラン歯科医師(以下、ベテラン):
「今回の『フィンランドむし歯予防研究会』に参加して、非常に多くの発見があったと思うけど、どう感じたかな?」
若手歯科医師(以下、若手):
「すべてにおいて勉強になりました。
が、キシリトールの効果がむし歯予防だけでなく、歯周病の予防にも寄与するという話は、非常に興味深かったです。
キシリトールがどれだけ口腔内の健康に貢献するかが、数値として裏付けられているのを見て、
予防歯科の可能性が広がったと感じました。」
ベテラン:
「確かに、キシリトールの科学的根拠は非常に強固ですね。
例えば、いくつかの研究では、キシリトールガムを1日3回、5分間噛むだけでむし歯の発生率が50%減少すると報告されています。
さらに、歯周病の進行も20%抑制できるという結果もあります。」
若手:
「このようなデータを知ることができると、患者さんにキシリトールを使う理由を具体的に説明できるので、非常に心強いですね。
患者さんに『むし歯予防のためにガムを噛むと良い』と言っても、その科学的根拠を示せると説得力が増します。」
ベテラン:
「まさにその通りです。患者さんにとっては、
どんな予防方法でも、『なぜそれが効果があるのか』という説明を聞くと納得しやすいものですからね。
キシリトールを取り入れた予防プランを提供することで、治療だけでなく、予防の重要性も伝えやすくなるものです。
予防歯科の進化とキシリトールの役割
若手:
「ところで、今回の研修では、予防歯科の重要性がますます高まっていると感じました。
フィンランドでは、キシリトールを含む製品を積極的に使用して、国全体で予防活動を推進しているという事例も紹介されていましたよね。」
ベテラン:
「はい、フィンランドは本当に素晴らしい取り組みをしていますね。
例えば、学校での予防教育や、キシリトールを使ったプログラムがすでに広く普及していて、その結果、むし歯の発生率が70%減少したというデータもあります。
こうした事例は、予防歯科が社会全体でどれほど効果的に機能するかを示しています。」
若手:
「そのデータは本当に驚きました。
70%の減少ですから、単に治療のアプローチを変えるのではなく、社会全体で予防に対する意識を高めることがどれだけ重要かということがよくわかります。
こうした成功事例を日本でも広めていくことが、今後の歯科医療にとって大きな鍵となるのではないかと思います
ベテラン:
「そうですね。予防歯科はもはや歯科医療の中心的な柱となりつつあります。
私たちの仕事が治療から予防へとシフトしていく中で、キシリトールのような効果的なツールを活用することは非常に重要です。
しかし、予防歯科を普及させるためには、いくつかの課題もあります。」
予防歯科普及の課題と戦略
若手:
「確かに、予防歯科の普及には課題が多いと思います。
例えば、キシリトールを使うこと自体は知っている人も多いですが、
実際にどのように使うか、どれくらいの頻度で使うべきか、という具体的な使い方については個人の意識が低い場合もありますよね。
フィンランド現地で拝見したのは、保育園で食後にキシリトールを摂取するというものでした。
生活の一部と化しているんですよね。」
ベテラン:
「その通りです。患者さんには、予防歯科としての具体的なアドバイスが求められます。
例えば、『キシリトールガムを食後に3回噛む』というように、より具体的な提案が必要です。
フィンランドでは幼いころからキシリトールの摂取が当たり前と教育を受けているので、抵抗感がありませんでしたね。
それに加えて、患者さんが実践しやすいように、価格や手に入れやすさといった面でも工夫が必要ですね。」
若手:
「また、キシリトールが入った製品がもっと広く普及するためには、歯科医師が積極的に推薦していく必要がありますね。キシリトールを使った製品を歯科医院で取り扱うだけでも、患者さんにとっては手軽に試せるきっかけになるかもしれません。」
ベテラン:
「確かに、歯科医師として私たちがキシリトールの効果をしっかりと伝え、患者さんに使うことを勧めることが大切です。しかし、それだけでは十分ではなく、キシリトールを含む製品がもっと安価で手軽に手に入るように、メーカーとの協力も必要でしょう。」
若手:
「そうですね。製品の価格が高すぎると、予防的な目的で使用するにはハードルが高くなってしまいます。
できれば、もっとリーズナブルな価格で製品を普及させるための取り組みが必要ですね。」
テクノロジーと予防歯科の未来
ベテラン:
「今後の歯科医療は、予防だけでなく、デジタル技術やAIなどのテクノロジーも重要な要素となるでしょう。
例えば、患者さんのデータをもとにした個別化された予防プランの提供が進んでいます。
こうした新しいテクノロジーを活用することで、より効率的で精密な予防歯科が実現できるのではないかと考えています。」
若手:
「AIやデジタルツールの活用は非常に楽しみです。
例えば、口腔内スキャンやAIによる診断支援システムが、予防歯科の分野でも活用されるようになるでしょう。
それにより、患者さん一人ひとりに最適化された予防策を提案できるようになるのではないかと思います。」
ベテラン:
「デジタル技術は、歯科医師の負担を軽減し、より効果的なケアを提供するための重要なツールです。
キシリトールのような予防方法と組み合わせることで、患者さんの健康維持に大きな貢献ができると確信しています。」
今後の課題と歯科医師としての役割
若手:
「今回研修で、キシリトールのような個人レベルの予防法が今後ますます重要になっていくことを実感しました。
それに伴い、歯科医師として私たちの役割もより広がると感じています。
予防歯科の啓蒙活動を積極的に行い、患者さんが自分の口腔健康にもっと意識を向けるような社会を作っていく必要があると思います。
まずは私の患者さんからスタートしていきます。」
ベテラン:
「その通りですね。私たちが学んだことをいかに実践に活かすかが、これからの歯科医療のカギとなります。
予防歯科の重要性を患者さんに伝えるために、キシリトールのような科学的に証明された予防法を積極的に活用し、患者さんの口腔健康を守る役割を果たしていきましょう。」
若手:
「これからは、予防の段階からしっかりと取り組んでいけるように、自分自身も日々学び続けたいと思います。
研修で得た知識を実際の診療に活かし、より多くの患者さんに予防歯科の重要性を伝えていきます。
機会があればまた研修会に参加したいです。」
ベテラン:
「その意気です。歯科医師として、そして予防歯科の推進者として、これからも一緒に頑張りましょう。」
いかがでしょうか。
この対談をご覧になりキシリトールや予防歯科を現在の日本の歯科医療にどう活かしていくか、考えることができたでしょうか?
今後の日本の歯科医療の進展に向け、ぜひ自分なりに考えてみましょう。
「日本フィンランドむし歯予防研究会JFSCP」について詳しく知りたい方は
こちらをどうぞ
「日本フィンランドむし歯予防研究会JFSCP」
→https://jfscp.gr.jp/
キシリトールについてもっと知りたい方は
こちらをどうぞ
【動画で解説】キシリトールのむし歯予防効果と応用
→https://www.jdc-navi.com/blog/details.jsp?id=643