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  • 公開:2025/10/22
  • 更新:2025/10/22

口腔外科とは?歯科の中でも専門医制度が確立された分野

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口腔外科は、歯科医師の中でも特に専門性が高く、医科との連携が求められる分野です

対象疾患は口腔がん、顎変形症、外傷、粘膜疾患、顎関節症など多岐にわたり、手術・救急対応・入院管理なども含まれます。
日本口腔外科学会では、専門医制度として「認定医」「専門医」「指導医」の3段階を設けており、診療経験・学術活動・技能審査を通じて資格が認定されます。
この制度は、患者からの信頼を得るだけでなく、歯科医師としてのキャリアを体系的に築くための重要な指針となります。

この記事では、口腔外科医になるための項目と記事の後半には現役の口腔外科医のインタビューの一部を紹介します。

口腔外科認定医になるには?【初期ステップ】

認定医は、口腔外科専門医を目指す上での最初の資格です。

取得には以下の条件が必要です:
・歯科医師免許取得後、1年間の初期臨床研修
・その後2年以上の口腔外科研修
・臨床経験・学術活動の実績(症例報告、学会参加など)
・申請書類審査+筆記試験の合格

この資格は、単なる「経験者」ではなく、「体系的に口腔外科を修めた専門人材」としての証です。

研修施設の選び方と注意点【失敗しないために】

全国には200以上の口腔外科研修施設がありますが、
選び方を間違えると「思っていた研修ができない」「症例が偏る」といったミスマッチが起こりがちです。

施設選びのポイント:
・臨床重視か研究重視か
・指導体制の有無(指導医の在籍)
・力を入れている診療分野(がん、外傷、顎関節症など)
・症例数と研修医の役割(執刀機会の有無)

施設見学では、実際の研修医に話を聞くのが最も有効です。 また、厚労省のD-REISサイトでは施設情報が網羅されています。(D-REISは現在調整中です)

専門医・指導医へのステップアップ【中長期キャリア設計】

専門医になるには

専門医は、より高度な診療・教育・研究を担う立場です。

取得には以下が必要です:
・初期研修修了後6年以上の研修
・学会認定の研修施設に所属
・症例報告(100例以上、うち40例は難易度レベルII以上)
・書類審査+筆記試験+口頭試験+手術実地審査


専門医は、単なる「ベテラン」ではなく「診療技能と教育力を兼ね備えたプロフェッショナル」として認定されます。

指導医になるには

指導医は、若手口腔外科医の育成を担う教育者です。

取得には以下が必要です:
・初期研修修了後12年以上の経験
・専門医取得後3年以上の研修
・指導医のもとでの診療経験
・学術活動(論文、学会発表)

指導医は、教育・診療・研究の三位一体で活躍する存在です。

現役口腔外科医インタビュー|入江彰彦先生に聞く

JDCnaviでは、口腔外科専門医・指導医として活躍する入江彰彦先生にインタビューを実施
実際のキャリア選択や開業のこだわり、研修医との関わりなど、リアルな声をお届けします。

口腔外科を選んだ理由
「手術の奥深さと、医科との連携に魅力を感じました。歯科の枠を超えて患者さんと向き合えるのが口腔外科の醍醐味です。」

開業・出張・研修医との関わり
・開業時の設計へのこだわり(手術室の導線など)
・地域医療への貢献(訪問診療・出張手術)
・研修医からの質問に答える姿勢(教育者としての責任)

※インタビュー全文はこちら
【現役歯科医師のキャリア公開】口腔外科医を選んだ理由と開業へのこだわり
https://www.jdc-navi.com/interview/details.jsp?id=150

よくある質問Q&A

Q:口腔外科認定医の難易度は?
A:筆記試験は基礎知識+臨床応用が問われます。研修中の症例経験と学会活動が合否に影響します。

Q:研修施設は大学病院がいい?開業医でもOK?
A:症例数・指導体制・学術活動の機会があるかが重要。大学病院は制度面で有利ですが、開業医でも認定施設なら可能です。

Q:専門医になるまで何年かかる?費用は?
A:最短でも6年。学会費・研修会参加費・試験料などで年間10万〜20万円程度の自己負担が発生します。

また、JDCnaviで紹介している口腔外科施設はこちらです。
・東海大学医学部付属病院
・ 国立国際医療研究センター病院
・ 横浜市立みなと赤十字病院
・ 藤沢市民病院

各施設の詳しい情報は直接施設へお問い合わせください♪

本記事の一部は下記URLを参考(抜粋)しております。
https://www.jsoms.or.jp/public/

著者情報 JDCnavi編集部
・歯学部学生・歯科医師専門の情報メディア
・現役歯科医師・研修医による監修体制
・進路相談実績あり

監修者情報 鈴木彰 歯科医師
・神奈川県「ベル歯科医院」院長
・歯科医師歴30年以上
・ 1986年 東京医科歯科大学歯学部卒業
・ 1986年〜1989年 東京医科歯科大学歯学部 附属病院顎口腔機能治療部
・ 1989年 「ベル歯科医院」開設
・ 専門:一般歯科、予防歯科

入江 彰彦
歯科医師/開業医/歯学博士

・1994年 長崎大学歯学部卒業、歯科医師免許取得
・1998年 長崎大学大学院歯学研究科修了、
     長崎大学歯学部口腔外科学第二講座助手採用、
     長崎大学医学部附属病院麻酔科研修
・2002年 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
     顎口腔機能再建外科学分野助手(現 顎口腔再生外科学分野)、
     長崎大学医学部・歯学部附属病院 第2口腔外科病棟医長
・2006年 長崎県島原市 まき歯科勤務 他 
     東京、神奈川、千葉、大阪、長崎、佐賀、福岡の歯科医院と提携し、
     口腔外科やインプラント治療を担当
・2012年 いりえ歯科口腔外科クリニック開院

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