- 公開:2026/05/25
- 更新:2026/05/25
【臨床研修医インタビュー】 研修先を選んだ理由とは?予防歯科を志した歯科医師のリアルな声
高柳 遼 歯科医師
歯科医師としての第一歩を踏み出す「臨床研修」一方で学生の中には、
- 「臨床研修施設をどのように選べばよいかわからない」
- 「まだ専門にしたい分野が決まっておらず、選び方に迷っている」
といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
実際に臨床研修を行っている歯科医師は、どのような基準で研修先を選び、どのような思いで日々の診療に向き合っているのでしょうか。
本記事では、予防歯科に強い想いを持ち、ベル歯科医院で研修を行っている高柳遼先生にインタビューしました。
研修先を決めた理由から、1日のスケジュール、診療の実際、そして現在の働き方まで、リアルな声をお届けします。
「将来、歯科医師として働く自分の姿がまだ想像できない」 そんな歯学部生の皆さんにとって、進路を考えるヒントになれば幸いです。
Q1. ベル歯科医院を研修先に選んだ理由を教えてください。
高柳先生:一番の理由は、「予防歯科に本気で取り組める環境」だと感じたからです。 東京医科歯科大学在学中に、協力型施設として見学させていただいたことがきっかけでした。
そのときに感じたのが、「治して終わりではない歯科医療」を本当に実践している医院だということです。
従来の歯科医療は、むし歯になる → 治療する → 終了 → 再発
という流れになりやすい傾向があります。
しかしベル歯科医院では、
治療する → 継続的に管理する → 良い状態を維持する
という関わり方を徹底しています。 その姿勢に強く惹かれました。
Q2. 予防歯科を志したきっかけを教えてください。
高柳先生:「悪くなってから治す医療」ではなく、「良い状態を守る医療」に携わりたいと思ったのがきっかけです。
患者様が困ってから来院するのではなく、前向きな目的で通える歯科医療はとても魅力的だと感じました。
また、院長のビジョンに強く共感したことも理由の一つです。 正直に言うと他院の見学には行かず、このベル歯科医院一本で志望しました。 それほど医院理念に強く惹かれていました。
Q3. 現在の1日のスケジュールを教えてください
高柳先生:現在は歯科医師部署のリーダーのもとで研修を行っています。 1日の担当患者様は6〜7名ほどです。
出勤後は9時30分の朝礼までにカルテ確認と診療計画の整理を行います。 その内容をまず指導医へ報告し、朝礼後には院長へも共有します。
全歯科医師が診療前に院長へ報告する体制があるため、準備不足のまま診療に入ることはありません。
この仕組みがとても勉強になっており、私自身も安心して診療に取り組むことができます。
Q4. 診療中の流れを教えてください
高柳先生:基本は担当患者様の診療を行います。 空き時間があればアシストや見学に入ります。
常に指導医へ相談できる環境があるため、「これで本当に良いのかな」と迷ったまま進めることはありません。
研修医にとって、この安心感は大きいですね。
Q5. 診療後の取り組みを教えてください
高柳先生:診療後は振り返りの時間が多いのが特徴です。
- 歯科医師と歯科衛生士の予防ミーティング
- 歯科助手とのフィードバック
- 指導医への事後報告
- 歯科医師ミーティング
- 日報記入
などです。
毎日必ず改善点が見つかります。 研修当初は反省ばかりでしたが、今は少しずつ手応えを感じています。
常に意識しているのは「正しい方法で数をこなすこと」です。
Q6. 現在の診療内容と担当患者数を教えてください。
高柳先生:現在、月に約130名の患者様を診療し、担当患者様は約230名です。
主な処置は以下です。
- CR(コンポジットレジン修復)
- エンド(根管治療)
- リコール(定期検診)
- 歯周治療(歯科衛生士と連携)
- 補綴治療(指導医と相談しながら)
定期健診は15分、処置は45分が目安です。 将来的には30分でも質を保てるようになることを目標にしています。
Q7. 印象に残っているエピソードを教えてください
高柳先生:患者様から「麻酔が全然痛くなかったです」と言っていただいたことです。
緊張しながらも丁寧に行ったことが伝わった瞬間で、とても嬉しかったのを覚えています。
Q8. 診療以外の学びを教えてください
高柳先生:院外での学びの機会もたくさんあります。
院長は国内外の研修や学会に積極的に参加されており、同行させていただくこともあります。
タイで行われたインプラント実習の見学に参加したこともあり、日本とは異なる環境での学びは非常に刺激的でした。
Q9. 現在の課題はありますか?
高柳先生:現在の課題は、「患者様が本当に求めていることを理解する力」だと感じています。
治療を進めるうえでは、ただ医学的に正しいことを伝えるだけではなく、患者様が何に悩み、何を不安に感じているのかを、対話の中から丁寧に汲み取ることが大切だと思っています。
また、予防歯科は一方的に“勧める”ものではなく、患者様自身にその必要性を理解していただくことが重要だと実感しています。
そのためにも、押し付けにならない伝え方や、患者様一人ひとりに合わせたコミュニケーション力を、これからさらに磨いていきたいです。
Q10. 学生へのメッセージをお願いします!
高柳先生:まずは、卒業試験・国家試験の合格を最優先に頑張ってください。
学生のうちは目の前の勉強に追われることも多いと思いますが、その中でも少しずつ、「自分はどんな歯科医師になりたいのか」を考えてみることが大切だと思います。
- どんな環境で学びたいのか
- どんな診療スタイルに魅力を感じるのか
- 将来どんな働き方をしたいのか
そういったことを早い段階から考えておくと、研修先選びにも軸ができると思います。
また、下級生のうちから多くの医院を見学することもおすすめです。 実際に現場を見ることで、ホームページや説明会だけではわからない医院の雰囲気や考え方を感じることができます。
最初から明確な目標が決まっていなくても大丈夫です。 いろいろな経験や出会いの中で、「こういう歯科医師になりたい」と思える瞬間がきっと見つかると思います。
歯科医師の新しい働き方 ― YouTube発信の可能性
高柳先生は、日々の診療に加えて、YouTubeでの情報発信にも力を入れています。
歯科医療や予防歯科について、患者様や歯科学生にも伝わりやすいよう、専門的な内容を噛み砕きながら発信されています。
「歯医者は痛くなってから行く場所」と思われがちですが、動画を通して“予防の大切さ”を知ってもらうことで、歯科医院をもっと身近な存在にしたい――。 そんな想いが、発信の根底にあります。
YouTubeという形だからこそ、
- 患者様が正しい知識に触れるきっかけを作れる
- 予防歯科の大切さを継続的に伝えられる
- 歯科医院への不安やハードルを和らげられる
- 歯科学生や若手歯科医師にとって、新しい働き方の参考になる
といった可能性が広がっています。
診療室の中だけでは届かなかった人にも、歯科医療の価値を届けられる。 高柳先生の活動からは、これからの歯科医師の働き方の広がりを感じることができます。
まとめ
今回のインタビューでは、高柳先生が「どんな歯科医師になりたいか」を軸に研修先を選び、日々患者様と向き合いながら成長している姿がとても印象的でした。
予防歯科という分野に惹かれた理由、診療後も振り返りを重ねながら学び続ける姿勢、そしてYouTubeを通して歯科医療の価値を広く届けようとする挑戦…… その一つひとつから、「歯科医師としてどう在りたいか」を大切にしていることが伝わってきます。
臨床研修先を選ぶとき、症例数や設備、立地など、気になるポイントはたくさんあると思います。 もちろんそれらも大切ですが、それ以上に大事なのは、「自分がどんな歯科医師を目指したいのか」を考えることなのかもしれません。
まだ将来の姿がはっきり見えていなくても大丈夫です。 実際に歯科医院を見学したり、現場で働く先生の話を聞いたりすることで、「こんな働き方をしてみたい」「こんな歯科医師になりたい」と感じる瞬間がきっと見つかります。
これから臨床研修を迎える歯学部生の皆さんにとって、本記事が少しでも進路選択のヒントや、未来への前向きな一歩につながれば幸いです。




