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【2026年版】歯科医師臨床研修の管理型・協力型を徹底比較|歯科医師が研修医時代の経験を語る!
小森 彩加 歯科医師
Gemini の回答
歯科医師国家試験に合格した後、必ず通るのが歯科医師臨床研修。 しかし実際には、「管理型研修」「協力型研修」という言葉は知っていても、 どんな違いがあり、将来にどう影響するのかまで理解できている人は多くありません。
本記事では、 大学病院(管理型研修)と開業歯科医院(協力型研修)の両方を実際に経験した研修歯科医師へのインタビューを通して、 制度の違いだけでなく、現場で感じたリアルなメリット・デメリットを詳しく紹介します。
1.管理型研修と協力型研修とは?
歯科医師臨床研修制度では、研修施設が「管理型」と「協力型」に分かれています。 まずは、それぞれの役割と特徴を整理しておきましょう。
1-1.管理型研修とは
管理型研修施設とは、臨床研修全体の責任を担う中核施設で、 多くの場合、歯科大学病院や基幹病院が該当します。
管理型研修の主な特徴は以下の通りです。
・研修プログラムが体系的に整備されている ・症例の幅が広く、基礎的な臨床経験を均等に積める ・同期の研修医が多く、横のつながりを作りやすい ・指導医が多く、相談しやすい環境がある
一方で、研修医が単独で治療完結まで担当するケースは少なく、「見学・補助が中心」と感じる研修医も少なくありません。患者担当の裁量や最終的な責任は指導医が持つため、実践的な判断力を養いにくい側面もあります。
1-2.協力型研修とは
協力型研修施設は、管理型研修施設と連携しながら、 実際の地域医療・開業歯科医院の現場を経験できる研修先です。
協力型研修の特徴としては、
・担当医制で患者を受け持つケースが多い ・診断・治療計画・治療まで一貫して関われる ・スタッフとのチーム医療を実践的に学べる ・開業歯科医院の経営・動線・診療スピードを体感できる
といった点が挙げられます。
2.【研修医インタビュー】管理型・協力型を選んだ理由
制度上の違いだけでは、研修先選びの判断材料としては不十分です。 そこで今回は、実際に管理型・協力型の両方を経験している研修歯科医師にお話を伺いました。
今回インタビューしたのは、 鹿児島大学歯学部歯学科を卒業後、 東京医科歯科大学 第二総合診療部で半年間の管理型研修を行い、 神奈川県・ベル歯科医院で協力型研修を行ったK歯科医師です。
2-1.歯科医師を目指したきっかけ
進路を考え始めた高校3年生の頃、 K歯科医師は、ある原体験に直面します。
「80歳を超えた祖父が、食べ物を飲み込むことにとても苦労していたんです。 その姿を見て、摂食嚥下に関わる医療に興味を持ち、歯科医師を目指しました」
この経験が、その後の研修先選びにも大きく影響していきます。
2-2.なぜ大学病院+開業歯科医院を選んだのか
研修先を選ぶにあたり、重視していたのは、 「幅広い現場を実際に見ておくこと」でした。
「大学病院だけでなく、開業歯科医院の現場も 研修医のうちにきちんと見ておきたいと思っていました」
ベル歯科医院を協力型研修先として選んだ理由については、
「研修制度がしっかりしていて、 半年間でも多くのことを学べると感じました。 見学時に対応してくださった先輩歯科医師が とてもハキハキしていて素敵だったのも印象的でした」
と話します。 また、歯科医院特有 of 消毒薬のにおいがなかった点も、 患者視点・職場環境の良さを感じたポイントだったそうです。
3.大学病院での管理型研修で感じたこと
まずは、大学病院での管理型研修について。 実際に現場に立ってみて感じたメリットと課題を率直に語ってくれました。
3-1.管理型研修のメリット
「同期が30〜40人いて、精神的にとても心強かったです。 憧れていた大学病院で研修できるのは、やはり嬉しかったですね」
症例の種類が多く、 幅広い疾患を“満遍なく”経験できる環境は、 基礎力を身につける上で大きな価値があったといいます。
3-2.管理型研修で気づいた課題
一方で、こんな気づきもありました。
「研修医用に割り当てられた患者様を担当する、 という感覚が強くて、 どこかで“困ったら上の先生が何とかしてくれる” と思ってしまっていたかもしれません」
この「無意識の甘え」が、 次の協力型研修で大きく意識を変えるきっかけになります。
3-3.協力型研修で大きく変わった意識と成長
開業歯科医院での協力型研修では、 大学病院とはまったく異なる緊張感と責任が待っていました。
3-4.担当歯科医師制で芽生えた責任感
ベル歯科医院では、研修医であっても担当医制。
「診断から治療計画、治療までを任されることで、 治療一つひとつに対する責任感が格段に増しました」
“研修医だから”という理由は、患者様にとっては関係ありません。 その事実を、日々の診療の中で実感するようになったそうです。
3-5.スタッフとの連携から学ぶチーム医療
また、歯科衛生士・歯科技工士との関わりも大きな学びでした。
「患者様との事前ヒアリングや何気ない雑談の中から、 痛みや不安、疑問点を拾ってくれるので、 診療がとてもスムーズに進みます」
チーム医療の重要性を、現場で体感した経験でした。
4.開業歯科医院での1日の流れとは?
協力型研修では、1日の密度も大きく変わります。 インタビュー当日、K歯科医師が担当した患者は9人。
空き時間には、
・模型での形成練習 ・患者様に渡す説明資料の作成 ・診療アシスト
などを行い、 「気づいたら一日が終わっている」感覚だといいます。
「ハードですが、その分とても充実しています。 頼りにされると、自然と頑張れてしまいますね」
4-1.院内研修で得られる実践的な学び
ベル歯科医院では、院内教育にも力を入れており、 毎週金曜日にドクター研修を実施しています。
院長や他のドクターの前で実際に治療を行い、 その場でフィードバックを受ける形式です。
「『なぜそこを削るのか』と質問されながらの治療は、 本当に緊張しましたが、 治療の“理由”を言語化する力が鍛えられました」
技術面だけでなく、 診療姿勢・器具の持ち方・患者への向き合い方まで学べる点が、 大きな成長につながっているそうです。
4-2.管理型+協力型研修を経験して得た一番の学び
両方の研修を経験したからこそ、 K歯科医師が強く感じたことがあります。
「患者様にとっては、 ベテランでも研修医でも関係ない。 その視点を持てたことが、一番の学びでした」
この気づきは、 今後の進路選択や診療スタンスにも大きく影響していくはずです。
まとめ|研修先選びで後悔しないために
管理型研修:基礎力・安心感・症例経験 協力型研修:責任感・実践力・現場対応力
どちらが正解というわけではなく、 自分が将来どんな歯科医師になりたいかによって、 最適な研修環境は変わります。
本記事が、 歯科医師臨床研修先を検討している方にとって、 一歩踏み出すための判断材料になれば幸いです。




