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インタビューINTERVIEW

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  • 公開:2023/10/11
  • 更新:2023/10/11

【現役の口腔外科医】入江歯科医師の出張先での1日に密着

入江 彰彦

入江 彰彦 歯科医師/開業医/歯学博士

自身の経営する医院「いりえ歯科口腔外科クリニック」で活躍するだけでなく、神奈川県のベル歯科医院や長崎県のまき歯科をはじめ、10院ほどと提携をし全国を飛び回って治療を施す入江歯科医師

歯科医師として、開業した院長先生として患者さまを診療するときの真剣な一面…だけでなく、
家に帰ると笑顔の優しい二児のパパで提携先の歯科医師達の頼れるお兄さん存在。

そんな入江先生の【出張先(提携している歯科医院)での1日に密着】。また記事の最後には【現役の研修医からの質問】に答えていただいました。

※入江先生の詳しいプロフィールはこちらをご覧下さい。
(取材協力:ベル歯科医院いりえ口腔外科クリニック

【歯科医師の仕事紹介】入江歯科医師の博多から海老名の出張に密着

19:00 博多発(日曜日)



飛行機に乗って福岡(博多)から出発。
出発までの時間は家族と休日を楽しんでいることが多いのだとか。
※入江先生は家族と過ごす時間を大事にされているそう。この日も早めのごはんを一緒にしたそうです。

20:35 東京(羽田)着



およそ2時間弱で東京に到着。長旅お疲れ様でした。

22:30 前泊 ホテルにチェックイン



今回の出張先の歯科医院「ベル歯科医院」の最寄りのホテルに宿泊。
直通バスがあれば約60分。電車の場合は約1時間30分(20:30羽田→横浜→22:30着)
で到着するようです。長距離の移動時間を終えて、明日に備えてゆっくり休みます。

9:30 朝礼参加



「ベル歯科医院」のスタッフに混ざって朝礼に参加。
「ベル歯科医院」は常時40人程いる歯科医院なので朝礼の風景も迫力あります。

10:00 治療開始



この日はインプラント埋入のため手術用ガウンに着替えて診療開始。
空気が少しピリついています。

 
勤務医や研修医たちにねだられて処置の指導を行う場面もみられました。

19:00 出張1日目の診療終了



お仕事お疲れ様でした! 私服に着替えて…向かった先は…



研修医や勤務医を招いてのお食事会。通称「いりえ飲み」を行います。
 

研修医たちはこの時間に、「気軽に聞けないあんなこと」や「将来の展望」などを相談することもあるそう。貴重な時間ですね。

23:00 就寝



食事会が終わったあと、長い1日が終了。

09:30 出張2日目開始



この日も朝礼後、診療を行っていきます。
入江先生の予約はいつも埋まりがちです。

12:00 カンファレンス



「ベル歯科医院」では毎週火曜日ミーティングを行っています。
さらに入江先生のいる月曜は症例検討を行い、情報の共有と意見交換などを実施。
治療方針の話など、聞いてるだけで勉強になります。

17:00 診療終了



「ベル歯科医院」での2日間が終了。



気を付けて帰ってくださいね!
 

21:40 福岡着



福岡(博多)に戻ってきて、2日間の出張が終了。

 歯科研修医から入江先生への質問

Q1.長年様々な歯科医院を飛び回っていると伺いました。複数の歯科医院から信頼される秘訣はなんですか?

人とのつながりが大事。今出張で行っている歯科医院って、何の前触れもなくいきなり「うちに来てくれ」「情報雑誌で見た」で繋がったわけではないんです。

元々の知り合いだったり、人からの紹介だったりで通うようになりました。

飲み会や同窓会で、先輩後輩に「ちょっと手伝ってくんない?」とかそういう流れですね(笑)。
治療の技術を磨くことも大事ですが、人のつながりを大事にすることも大切です。

Q2.現在の自院経営と出張の両立生活で大変なこと、注意していることはありますか?

今意識していることは「健康」「時間管理」「家族との時間」ですね。

まずは「健康」。健康でないと動けませんから。トレーニングとか食べるものとか気を付けています。

次に「時間管理」。

先に挙げた出張の際に飛行機の時間に遅れないこともそうですが、自分の診療所もあります。円滑にいくように調整しなければいけません。

最後に「家族との時間」です。

実は、家庭を持つまで“渡り鳥”のような生活をしていました(笑)。

休みなく、次から次へ診療所を渡り歩いて飲み会してホテルに泊まって…って。こう書くと大変そうですが、そういう生活が苦じゃなくて楽しんでいたんですね、旅行みたいな感じで。

でも、家庭を持ってから「週に1回は必ず休もう」とか、飲み会の数を減らしたりとか。

家族がいるから健康的な生活になったんだとも思います。それでも、出張で月に6回は外泊してるんですが(笑)。

Q3.出張先は大型歯科医院ばかりなんですか?

そんなことはないです。

スタッフ数10人以下がほとんどで、ユニットも3~4台ぐらいです。

Q4.今回取材した「ベル歯科医院」の研修医です。ベル歯科医院は他の歯科医院に比べてどう思いますか?

ざっくばらんな質問ですね(笑)。う~ん。規模がそもそも違うし、良い悪いは置いといての話ですが。

ある程度大きな規模の歯科医院の場合は、「規律」がしっかりしている印象を受けます。
ルールが明確とというか、「教育システムが整っている」っていうと分かりやすいでしょうか。

「何年ここに勤めたら何をする」って言うのが明確ですよね。
だから医療事故とかトラブルがあった時は原因追及とか解決が早いんです。

ルールや罰則が厳格にある場所を「窮屈だ」と思う人もしるかもしれないし「しっかりとしてる」と思う人もいるかもしれない。

どこでもそうですが、合う合わないはその人の気質によるところが大きいとは思います。
まあ一度厳しい基準を体験したらどこに行っても大丈夫なんじゃないかな。

でも、辞めたあと規律が緩くなったからと言って自分を甘やかしては危険ですね。
これはどこの歯科医院でもそうか。「自分のやり方を確立」とか「自分の考え方を確立」しないと、人に流されて利用されてしまいますからね。

Q5.専門医の道を迷っています。先生から見て一般医と専門医の明確な違いとはなんでしょうか?

「一般医」とか「専門医」じゃなくて、そもそも「自分が何をしたいのか」で考えるのが必要だと思います。

将来を考えて、そうなるために何を学んだらいいか…。

「これをしたいからこの資格が必要だ」という感じですね。
でも、最初は見えていなくても、やっていくうちに道が見えるようになったりもします。

私も若い頃は「今しかできない」と、長崎から熊本まで無計画に遊びに行ったりもしてましたから(笑)。
結局、自分がした経験って無駄になることはないと思います。

Q6.将来開業しようと思っています。いつ開業を決心しましたか?また、苦労したことや注意点なども教えてください。

私は35歳で開業を決意しました。

その時は大学病院に勤めていて「大学に残って教授を目指すか」「お金持ち目指して開業するか」の二択で、開業の道を選んだんです。

大学病院を辞めたあとに様々な歯科医院を渡って、「自分なりのスタイルで開業したい」と思って2012年に開業しました。

開業での注意点は……そうですね。

自分の目指すものがある場合の話ですが「理想が現実とかけ離れていないか」を考えるのが大事です。
理想が高すぎて「患者が来ない」とか「採算がとれない」だと、商売として成り立ちません。
かといって平平凡凡だと他の医院と差別化ができません。

自分なりのコンセプトをもった歯科医院をつくるのが大切だと思います。

Q7.自分たちはあと少しで研修が終わります。その時に「これをやっておけばよかった」や「これをやっていてよかった」ということはありますか?

やっててよかったことは「人付き合い」。

治療の技術ってあとからある程度追いついてくるものだと思います。

「自分ひとりじゃ何もできない」ということを知ることが大事で、私の「歯科医師仲間に紹介されて歯科医院に勤めた」という話だけでなく、普段の診療でも受付や歯科衛生士などの他の診療スタッフがいてくれて診療が行えています。

縦であっても横であっても、人付き合いに幅を持たせるのが大事だと思います。


本記事では現役の口腔外科医の1日に密着させていただき、今回の出張先だった「ベル歯科医院」の研修医の方々からの質問にも真摯に答えて頂きました。

歯科医師としてのキャリアについて、入江歯科医師の働き方や回答を、ぜひ参考にしてみてください。

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