- 公開:2022/11/25
- 更新:2023/11/24
【育児休暇から復帰した女性歯科医師へのインタビュー③】クリニックやスタッフとの関わり方・仕事術
冨山 真理 歯科医師
「ベル歯科医院」で初めて、産前・産後休暇、育児休暇を取得した冨山真理歯科医師。
今回の記事では、妊娠時期から相談にのっていた院長やまわりのスタッフの方々の声から、休暇前の引継ぎ方法や、産前・産後、育児休暇や休暇からの歯科医師としての復帰までのリアルをお届けしたいと思います。
丁寧な引継ぎや今まで通りの仕事が院内に良い空気を作った
「スタッフの妊娠、出産、そして育児休暇、時短勤務。こういった日がくることは、もちろん想定内でしたし、院内規定なども整備していました」
とインタビューに答えてくれたベル歯科医院の鈴木院長。
「冨山歯科医師は妊娠中、体調不良で急に休まざるを得ない日もありましたが、その日に代行する歯科医師への指示は分かりやすく、例えば応急措置のみなのか、どこまでを治療するのか、などを明確に指示してくれたので、業務に大きな支障が出ることはありませんでした」
と当時を振り返ります。
「休暇に入る前の引継ぎも丁寧で、代行する歯科医師と患者様との顔合わせや、患者様の注意点や治療予定など全て書き込んだ引継ぎリストを作成するなど、スタッフがサポートしやすい環境を冨山歯科医師自身が作っていました」
急遽休むことになっても、どうしたらミッションを達成できるか、次善策を指示できたこと。
また、休み中に患者様やスタッフに迷惑が掛からないよう、丁寧な引継ぎ、誰もが分かるように文書として残すなど、仕事に全力を尽くすスタンスが周囲の温かい応援を得られた大きな理由のようです。
スタッフのFさんはこのように答えてくれました。
「冨山先生が仕事に復帰して、いっつも笑顔で楽しんでいるのが伝わって院内が明るくなりました」
「事務、助手、歯科衛生士など女性スタッフが多く、妊娠中の方もいますが、先生のおかげで今まで以上に協力し合おう、というムードになったと思います!」
勤務時間は限られていますが、無駄なく段取りを組み、テキパキと仕事を進め、より上を目指す、
そして何より仕事を楽しんでいる冨山歯科医師は、院内に良い空気を作り出しているようです。
産休や育休は権利ではありますが、その上にあぐらをかくのではなく、より良いムードを作り出す姿勢は、お手本にできるところではないでしょうか。
育児休暇を経て、歯科医師として復帰した女性歯科医師からのメッセージ
最後に、JDCnaviをご覧になっている研修先勤務先を探している女子学生の皆さんへ、
冨山歯科医師からメッセージをいただきました。
私自身、『いつか結婚して出産する』と考えていたけれど、研修先を決める際に、歯科医師としての仕事を継続しながらも、そういったことが可能な環境かどうかは意識していませんでした。
ベル歯科医院は、現在歯科医師が9名。
急遽休まざるをえないときに、代わって診察してくれる歯科医師がいる、という環境で本当に恵まれていると思います。
そして、まだまだ、育児休暇や時短勤務などの規則が整っていない医院が多い中、ベル歯科医院ではきちんとルールが整備されていることも、本当にありがたく思います。
研修先選び、本当に迷うと思います。
「知り合いが行ったから」、「興味のある分野に力を入れているから」、といったチェック項目に加え、
「働き続けることができる環境かどうか」
「育休や時短勤務などに関して院内に準備があるか」
こういった実績があるかなどを確認することも大切だと思います。
世の中のさまざまな制度が整いつつある中でも、女性はどうしても、結婚や出産が働き方のターニングポイントになりがちです。
今回の冨山歯科医師のアドバイスもひとつの参考に、様々な角度から、研修先を選んでくださいね。