今回の海外歯科リアルレポートはカンボジアの最新歯科事情。
2024年1月にカンボジアで学生向けに行われた講義に参加した、海老名市の「ベル歯科医院」院長の鈴木彰氏の感想と写真を交えて、Q&A形式でリポートしてまいります。
日本と違うところ、同じところなど探しながら、ぜひ最後までお楽しみください。
日本人歯科医師のカンボジア歯科学生の教育支援の一環で訪問
まず最初になぜカンボジアに向かわれたかからお聞きしましょう。
Q,今回なぜカンボジアに行かれたのでしょうか?
A,2015年から日本人歯科医師が、カンボジアの歯科大学での学生教育を支援するボランティア活動を行っています。
日本人メンバーは年1回程度、大学で講義や実習指導を行い、学生と交流しています。私のその一員として2024年1月に講義を行いました。
テーマは「FDI宣言と初期う蝕のコントロール」です。
この大学では選抜された数名の歯科大学生が日本での視察旅行に招待されます。
2017年の第一回視察旅行で来日した学生は当歯科医院の「ベル歯科医院」へも見学に来てくれました。
現在は母国のカンボジアで歯科医院を開院したという事で、今回はそちらの医院へも見学に行ってきましたよ。
Q,セミナーを終え、ランチでしょうか?
A,大学周辺には比較的低価格のレストランがあります。3種類の食材を選んで3ドルでした。
ちなみにカンボジアでは現地の通貨のほかに、米ドルが普通に使えます。
カンボジアの歯科クリニックを見学
Q,カンボジアで開院されたクリニック名が気になるのですが?
A,そうですね、「Bell Dental Clinic」とあります。当院と同じ「ベル歯科医院」ですね。
2017年に見学にきた時に予防歯科に重きを置いている当歯科医院の治療方針に非常に興味をもってくれて、その理念を活かし続けたいという気持ちの表れのようです。
Q、清涼感あふれる歯科医院のカラーですが、院内に入られた感想はいかがでしたか?
A,日本の治療室と同じレベルの機材を有しています。
カンボジアでは欠損補綴の需要が多く、インプラント治療が広がりつつあるようです。
Q,こちらはパノラマの機材ですね?カンボジアの個人歯科医院でも常設なのでしょうか?
A,X線装置は高価で、デンタルのX線装置は普及していますが、パノラマX線はこのような大きな診療所のみに設置されています。
Q,ユニットでの治療風景ですが、施術される皆さんが手術帽をかぶっていますね。これは珍しいと思いますが?
A,大学の実習では義務付けられています。
この診療室は大学での診療と同等レベルを行うポリシーで手術帽を着用しているのでしょう。
Q,こちらは滅菌室でしょうか?とても清潔に保たれていますね。
A,この歯科医院では器材の消毒・滅菌も日本と同等かそれ以上です。カンボジアではトップレベルでしょう。
感染対策への意識は非常に高いと感じました。
Q,このスタジオみたいな部屋は何でしょうか?本格的な調光ですが?
A,顔貌写真を撮影するスタジオです。
矯正治療の術前・術後写真などを撮影するのでしょう。
Q,こちらには「Kids room」と書いてありますね。どんな場所なのでしょうか?
A,ここは小児歯科の診療室です。
内装は小児向けに工夫されていました。
見学後に感じたカンボジアの歯科事情
Q,さて「Meeting room」に入られましたが、一息つきながらどのようなお話をされたのでしょうか?
A,カンボジア「Bell Dental Clinic」での診療内容や研修体制について質問しました。歯科大学の学生などがアルバイトに来ていて、助手・事務を経験しているそうです。
カンボジアの歯科大学は7年制で、4学年からの4年間は臨床実習を行うので、卒業時には多くの臨床症例を経験しています。
40年近く前の日本の歯科大学でもそうでしたが、現在のカンボジアでは実技を重視したカリキュラムで教育が行われています。
とても綺麗な夜景ですね!一日目、お疲れさまでした。
首都プノンペンの町の中央部をメコン川が流れています。
夜には遊覧船が出航し、夜景を楽しむことができます。
対岸の高層ビルの横には昇りはじめの満月を眺めることが出来ました。
以上のように写真からQ&A形式でご紹介いてきましたが、
カンボジアの歯科事情について「ほかにも知りたいことがある!」という方は、
ぜひ当サイトへご質問をお寄せください。
海老名市の「ベル歯科医院」院長鈴木彰先生にお答えいただけます。
取材協力
海老名市 「ベル歯科医院」 院長 鈴木彰
www.bell-dental.com