先日、
歯科医師臨床研修修了者のアンケートが厚生労働省のホームページにアップされた
とお伝えしましたが、
今回は、そのアンケートから見られる、
研修後の進路について、お話ししたいと思います。
※このアンケートは、
令和元年度に歯科医師臨床研修修了予定の
すべての歯科医師、2,126名を対象にしたアンケートで、
昨年3月に行われました。
回答数は1,694名(うち男性943名、女性748名、無回答3名)で、
約8割の人が回答を寄せています。
歯科医師臨床研修は、大学で受ける人が圧倒的に多い。その後の進路は?
まずは、歯科医師臨床研修を受けた施設についてですが、
卒業大学または卒業大学以外の歯科大学・歯学部付属病院、付属診療所で
研修をした人が、
71.6%と高い割合を示しました。
しかし、研修修了後、実際に上記の病院に勤務したのは、
27%という結果に。
では、皆さん、どこに就職したのでしょうか?
回答で最も多かったのは、
歯科診療所で、その割合は44%。
診療所で研修を受けた人は、5.2%でしたが、
そこから大きく数字が上がっています。
この数字から、大学などで研修をうけて、
その後、歯科診療所に勤務する人が多いということが分かります。
また研究の道を選ぶ人も19%という結果が見られました。
研修先が、卒業大学または卒業大学以外の歯科大学・歯学部付属病院、付属診療所が
多いという一因に、
単独型・管理型で研修を行う開業医の受け皿が少ない、
ということもあるようですが、
今後の歯科医師研修制度の改正案では、
歯科診療所で研修する機会を増やしていく方針が出ています。
歯科診療所での研修を希望する方にとっては、朗報ですね!
10年後の働き方 「勤務」と答える人多数!
「10年後にどこで働いていると予想しますか?」という質問に対して、
歯科診療所に勤務すると答えた人は386人。
歯科診療所、卒業大学やそれ以外の大学病院、病院と合わせると、
延べ730人が「勤務」と回答しています。
歯科医師といえば、昔は、開業を考える人が多かったのですが、
いまは全体の15%ほど。
アンケートの回答からみると、
今後は開業医ではなく、勤務医を希望する人が多い、
ということが分かってきました。
働く場所は、「出身地」との回答が最多だったほか、
「出身大学近く」「歯科医師臨床研修施設付近」と考えている人も多いようです。
また、進路選択に苦労した理由に、
「臨床経験が不足」していると回答した人が141人と多数見られました。
研修先を選んだ理由に「経験できる患者数が多い」ことを
挙げる人が多いにも関わらず、
終了後に「臨床経験が不足」していると感じた人が多いようです。
思い描いた通りの研修を受けるには、
事前のリサーチが重要ですね。
歯科医師臨床研修修了者のアンケート結果はコチラから。
https://www.mhlw.go.jp/content/000700411.pdf
数字からたくさんのことを読み取ってくださいね!