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インタビューINTERVIEW

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  • 公開:2021/09/06
  • 更新:2021/09/06

経営者に聞いた【なぜ産休制度があるんですか?】

鈴木 彰

鈴木 彰 歯科医師/開業医/歯学博士

以前「育児休暇から復帰した女性歯科医師へのインタビュ」で紹介した
冨山歯科医師が勤務している
神奈川県海老名市ベル歯科医院。


今回は、現在(2018年8月)の女性歯科医師の実態や、
経営者としての鈴木先生のお考えを聞いてきました!

※青い文字が鈴木先生のコメントです。


 

これまでの歯科医師は、「開業医になるのが前提」

つまり、自身が独立して一国一城の主として歯科医師を続けていく事が当たり前でした。

出産、そして育児などで、
キャリアが中断しがちな女性歯科医師が開業することは稀で、
また、勤務医として働いていても、
出産を機に退職するケースが多かったそうです。


〈鈴木先生〉
「しかし、歯科学部の学生の6割が女子学生というこの時代。
結婚や出産を理由に辞めずに済む、
家庭と両立し、歯科医師として働き続ける事が出来る環境が必要だと思いました」


女性歯科医師を迎えるにあたり、産休・育休制度を整備。

取得第一号となった冨山歯科医師は、
産休・育休明けの現在、9時半から16時45分までの時短勤務で
家庭と仕事を両立しています。

〈鈴木先生〉
「産休・育休を取得するにあたり、念頭において欲しい事は3つあります。

1つ目は、『診療の技術を持つ』
2つ目は、『患者の心を掴む』
「あの先生じゃなければイヤ」と言われる歯科医師になっていて欲しいですね。
3つ目は、『引き継げるスタッフがいること』が大切です」


産休・育休中に代わって診察できる歯科医師がいる環境でないと、
やはり円満な休暇の取得は難しいとの事。


〈鈴木先生〉
「出産や育児、そして今後は、介護休暇など、
働く人たちへのサポート体制を整える事が、
今後の歯科界の課題でもありますね。
大切な人材を失わないよう努力する医院をぜひ見極めて下さい。
そして、皆さんの働き続けたい、キャリアを積みたいという姿勢が、
サポート体制を迅速に整える追い風になると思います」

*************

開業医の産休・育休制度などの整備は、
まだまだ遅れているのが現状のようです。

研修先→就職先を選ぶ際は、

制度が整っているかどうか、
また、その実績があるかどうか

も、特に女子学生・女性歯科医師にとっては、
確認すべきポイントかと思います。

また、「制度があるから活用する」だけでなく、

「キャリアを積むために賢く制度を利用する」スタンスが大切だと思います。

私(ライター)自身、一般の会社で働いていた際に産休・育休を取得しましたが、
数年働き、ひと通り仕事を覚えた後に産休に入ったため、
復帰後も残業出来ないなりに仕事の段取りを付ける事ができ、
また、出産前よりあらゆる業務をスピードアップ出来ました。
仕事の実績を積んでからの方が、周囲の理解や協力も得やすいと思います。

東京医科大が医学部医学科の一般入試で、
女子と3浪以上の男子受験者の合格者数を抑制していたという衝撃のニュースがありましたが、
これを機に、より医療の現場が働きやすく改善される事を願います。

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