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  • 公開:2026/05/30
  • 更新:2026/06/02

【歯科医師国家試験 浪人経験者インタビュー】

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2026年4月。
新年度が始まり、歯科医師臨床研修もスタートしました。
まだ緊張感が残る研修開始2週間目。
今回JDCブログでは、歯科医師国家試験の“浪人”を経験した29期研修医2名にインタビューを行いました。
一人は、国家試験で1浪を経験したA先生。
物静かな雰囲気の中に、静かな強さを感じさせる先生です。
もう一人は、卒業後すぐには国家試験を受験せず、その後一度不合格を経験。さらに6年
間、歯科とは離れた環境で社会経験を積み、再挑戦の末に合格を果たしたB先生。
トラック運転手などを経験してきた異色の経歴の持ち主です。

「国試に落ちたら終わりなのか」
「浪人は研修先探しで不利になるのか」
「勉強法はどう変わったのか」
国家試験、浪人、再挑戦――。
それぞれ異なる道を歩んできた二人に、率直な想いを語っていただきました。

「自分が落ちるとは思っていなかった」

1浪を経験したA先生
――まず、今一番不安に思っていることを教えてください。
A先生:
「やっぱり患者さんへの対応ですね。知識不足というより、“自分の判断で動く”ことへの緊張感があります。
学生時代は見学が中心だったので、研修が始まって、“自分が医療チームの一員なんだ”という責任を改めて感じています。」

――逆に、今ワクワクしていることはありますか?
A先生:
「実際の臨床に触れられることです。教科書で学んだことが、患者さんごとに全然違う形で現れるので、毎日新しい発見があります。」
――国家試験に不合格だった時、どんな気持ちでしたか?
A先生:
「正直、頭が真っ白でした。親も歯科医師なので、周囲からも“受かるだろう”と思われていましたし、自分でもそう思っていました。」

静かに話すA先生ですが、その時の衝撃はかなり大きかったようです。

A先生:
「だから最初は、“なんで落ちたんだろう”という感覚でした。現実を受け止めるまで時間がかかりました。」

“勉強しているつもり”だった学生時代

そこから、どのように立て直したのでしょうか?

A先生:
「まず、“勉強時間”ではなく、“勉強内容”を見直しました。
学生時代は、とにかく長時間机に向かっていれば安心、みたいな勉強だったんです。」
歯学部では周囲も同じように勉強しているため、“やっている感覚”はある。
しかし、本当に理解できているかは別問題だったと振り返ります。

A先生:
「浪人してからは、“なぜ間違えたのか”を徹底的に分析するようになりました。」
具体的には、
・知識不足なのか
・問題文の読み違いなのか
・選択肢の比較不足なのか

を細かく分類。
「同じミスを繰り返さないこと」を意識するようになったそうです。

勉強法はかなり変わりましたか?

A先生:
「かなり変わりました。学生時代は“量重視”でしたが、浪人してからは“再現性重視”になりました。」
ただ問題を解くだけではなく、
“この問題が出たら、次は絶対に解ける”
という状態を作ることを意識していたと言います。

自信の持ち方にも変化はありましたか?

A先生:
「以前は、“なんとなく大丈夫だろう”という自信だった気がします。
でも今は、“一度失敗したからこそ準備する”という感覚に変わりました。」

「一回、歯科から逃げました」

6年越しで国家試験に合格したB先生
――B先生はかなり特殊な経歴ですよね。
B先生:
「そうですね(笑)。
卒業後、最初の国家試験は受けませんでした。その翌年に受験して落ちて、そのまま歯科から離れました。」

――そこから6年間、どんな生活をされていたのでしょうか?
B先生:
「トラック運転手とか配送関係とか、いろんな仕事をしました。完全に歯科から逃げていた時期ですね。」
そう話しながらも、表情は明るいままです。

社会に出て初めて分かった“資格”の重み

歯科に戻ろうと思ったきっかけは?

B先生:
「どんな仕事をしていても、“本当は歯科医師になりたかった”って気持ちが消えなかったんです。
それに、せっかく長い事歯学部で学んできて、それを活かせない仕事をするって、やるせなかったです。」
社会に出たことで、学生時代には見えていなかった現実もあったと言います。

B先生:
「あと、“資格があること”の重みをすごく感じました。
社会って、想像以上に厳しい部分もあるので、“国家資格を持って働ける”って本当にすごいことなんだなって。」

再挑戦は怖くなかったですか?

B先生:
「めちゃくちゃ怖かったです。6年空いてますし、同級生はもう普通に働いてますから。」
それでも再挑戦を決めた背景には、社会経験があったからこその変化がありました。

B先生:
「でも、一回社会で失敗とか現実を見てるので、“もう一回挑戦してダメなら仕方ない”って腹を括れたんです。」

 

浪人して、勉強法はどう変わった?

学生時代と浪人時代で、勉強法は変わりましたか?
B先生:
「かなり変わりました。昔は、“分かった気になる勉強”をしていたと思います。」
ノートをまとめて満足する。
長時間机に向かって安心する。
しかし再挑戦では、“理解できているか”を最優先にしたと言います。

B先生:
「“人に説明できるか”を基準にしていました。」
さらに、社会人経験を経て生活習慣も変化。
・毎日同じ時間に起きる
・勉強時間を固定する
・体調管理を徹底する

といった、“仕事として勉強する”感覚になったそうです。

B先生:
「社会人をやっていたので、“今日はやる気ないから休む”みたいな感覚はなかったですね。」

 

「浪人は不利なのか?」研修先探しのリアル

研修施設は、いつ頃から探し始めましたか?

A先生:
「5年生の終わり頃から見学を始めました。」
大学の情報だけでなく、先輩や実際に働いている研修医からも積極的に話を聞いたそうです。

一方のB先生は、かなり積極的に動いたと言います。
B先生:「メールだけじゃなく、直接電話もしました。“浪人しているんですが見学可能ですか?”って、自分から正直に伝えていました。」

浪人経験が不利に感じることはありましたか?

A先生:
「自分ではかなり気にしていました。でも実際は、“浪人したこと”より、“その期間をどう過ごしたか”を見られている感じでした。」

B先生:
「逆に、“社会経験があるのは強みですね”って言われることもありました。」
特に、
・コミュニケーション能力
・メンタル面
・継続力
・社会常識

などを評価されたと話します。

 

研修開始2週間、“今”感じていること

今、一番不安なことは何ですか?

A先生:
「やっぱり臨床経験不足ですね。」
B先生:
「全部です(笑)。でも、“不安があるのは普通”だと思っています。」
学生時代は“見学者”だった立場から、“医療チームの一員”へ。
二人とも、その責任感を強く感じているようでした。

どんな歯科医師になりたいですか?

A先生:
「患者さんに安心感を与えられる歯科医師になりたいです。
“この先生なら相談できる”と思ってもらえる存在になりたいですね。」
B先生:
「“失敗した人の気持ちが分かる歯科医師”になりたいです。
自分自身、遠回りしたので、不安とか怖さとか、そういう気持ちに寄り添える先生になれたらと思っています。」

最後に、歯科医師を目指す皆にアドバイスするなら?

とにかく、「もがく・あがく・自分を信じる」と二人とも声をそろえていました。
「諦めたら、そこで試合終了」と、どこかで聞いたことのあるセリフですが、煮え湯を飲んできたからこそわかる真実がそこにはあるのですね。

 

編集後記
今回のインタビューで印象的だったのは、二人とも“浪人経験を隠していなかった”ことでした。
むしろ、
・国家試験不合格
・勉強法の見直し
・社会経験
・再挑戦

そうした経験を経たからこそ、以前よりも冷静に、真剣に歯科医療と向き合っているように感じました。
歯科医師国家試験は決して簡単ではありません。
不合格になれば、自信を失うこともあります。
しかし、“遠回りした経験”が、その後の人生を支える強さになることもある。
今回の二人の姿は、それを強く感じさせてくれるものでした。
今後の成長が非常に楽しみです。

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